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2016年9月30日

MOILの諸々「新入社員の半年の執筆を前任者が諸々話す」

 執筆者が変わり半年がたった本日は、前執筆者が現在の「MOILの諸々」の内容について諸々お届けいたします。
 新入社員(この呼び方は仰々しいので「新入」から取って以降Sさんとします)に任せることで大変特殊な内容となりました「MOILの諸々」ですが、どうしてこうした、こうなったというのを、「MOILの諸々」が始まったきっかけ、新入社員に任せるものとした理由、目的からお話ししていきたいと思います。

 「MOILの諸々」は昨年の1月、正式な発表以外にもMOILの日常などをお伝えすることで、より皆様に我々のことを知って頂くために開始されました。特に、株主の皆様にそういった日常を知っていただく機会を設けることは、ステークホルダーとの対話として企業の社会的責任(CSR)の一環だと考えております。その方針の通り、当時もうすぐ入社1年の新人であった私こと執筆者がラボやその周りのこと、理系以外にはなじみが薄いであろう実験器具についてなど書きつづっておりました。そして2か月ほど経って新年度が始まり、新入社員のSさんが入ってくると、MOIL内のことを新鮮な目で見つめて皆様にお伝えするのは新入社員が適任だろうと執筆者交代となりました。こうして「MOILの諸々」は新入社員が書くものとなったわけです。

 新入社員に任せたのは適任というだけでなく、教育的な意味もありました。その意味の一つは「MOILの諸々」が平日は毎日更新となっている理由とも繋がっています。端的に言うと、継続は力なりを実感する機会を設けたかったということです。
 研究だけでなくそれ以外の事業全体も、方針が立ち進めていく段になると一つ一つのことを関連させつつも地道にやっていく必要があるのは私もまさに日々感じているところです。そうして一つ一つの成果が繋がり大きな成果になればよいのですが、MOILの目標は大きく、先を見据えているため、成果が見えるのはまだ先の話です。さらに実際の仕事では、積み重ねた結果思わぬことがわかって根本からの考え直しが必要になることもあります。積み重ねの成果をなかなか実感しづらい状況です。しかし、日々ホームページに文章を書くことは外的要因に左右されにくい、シンプルな積み重ねとすることができます。「MOILの諸々」はこの地道に日々積み重ねることを身近に実践するために毎日更新制をとっています。新入社員が何かを丁寧に一日一日積み重ね成果を得られるように、そんな考えで「MOILの諸々」の執筆を新入社員が務めているわけです。

 もう一つ、新入社員に任せるにあたって考えていることが、今後も毎年、企業文化として新入社員がこれを行うことにより積み重ねる意識を持った人を積み重ね、そこから企業の社風を作り出したいということです。ある会社がどのような会社かは事業内容だけではなく、そこに所属する人たちの気風によっても表されると思います。そういった気風は自然に生まれるものもあるのでしょうが、こういった企業にしたい、目指したいといった目標に向け意識的に作り上げていくことこそ大切なことだと考えています。我々は派手なイメージがあるベンチャーだからこそ、そればかりではない堅実さを備えるための企業文化として「MOILの諸々」を位置づけました。
 また、毎日文章を書くことそのものが世代を超えた共通の話題となることで会社に連帯感が生まれるのではないかとも期待しています。さらにこの方式の特徴として後輩は先輩が過去に書いた内容をいつでも見られるということが挙げられます。いろいろ文句を言ってくる先輩も最初はあまり良くない文章を書いていた、しかし終盤になると良い文章になる、というのが見られると発奮材料になるかも知れません。
 今は執筆者もチェック担当者も一人ずつですが、将来は複数人に担当してもらうことで横の連帯感を持てるようにするなども考えています。複数だと個々の責任が薄れるようなイメージがありますが、むしろ人はそのような意識をどうしても持ってしまうことを知り、だからこそ皆でやっていることを自分事として一人一人が気にできるようになることは十分目指すべき目標になると思います。一方で、一人で続けることにも大きな価値があると考えているので難しいところなのですが。

 しかしこの執筆内容を積み重ねても成果を得るどころか明後日の方向に突撃してはいないだろうか。大変もっともな突っ込みでございます。ようやくご覧の皆様最大の疑問だと思われる、この自由過ぎる内容にした(なった)理由についてご説明いたします。
 Sさんが外部研修を受けていた4/4の「MOILの諸々」に私は以下の文章を載せました。
「さて、私から見た新入社員評は、優秀な頑張り屋だがまだ硬い、といったところです。まだ慣れない環境で本来持っている柔軟さ、良い発想をスムーズに出せない感じがします。我々は彼らが考えをスムーズに出せるような雰囲気をつくらなければいけないなと感じています。」
 つまり、私は初めの内Sさんを固い人だと思っていたようなのです。今やなぜそう判断したのか、欠片も思い出せませんが。そんな中でもあり、毎日文章を書くということの大変さも鑑みて内容についてはかなり自由度を上げることとしたのです。しかし、「MOILの諸々」を任せて数日もすると私のその評価が間違っていたことは明白となりました。独特なシュールな文体、奇抜な発想は私を、MOILの皆を困惑させました。おそらくこれを読んでくださっていた皆様も困惑されたかと思います。内容について何か修正を掛けるべきかとも考えました。しかし、だからと言ってこの思考を封じてしまうのはもったいないとも思ったのです。この発想力は少なくとも自分には全くなかったもので、それはMOILの他の方々にとっても同様です。まだ社員数が少ないMOILだからこそ、一人一人に独自のとがった能力を持ってもらいたい、にもかかわらず、すぐ役立つかは正直わからないものですが、特殊な個性を持つ人を委縮させるべきではないと、そう思いました。
 結果、「MOILの諸々」の自由度は維持されました。期待通りというべきなのか、その後も高い自由度に合わせてその後も内容のシュールさ、発想のキレはエスカレートしていきました。当然困惑させるような内容が多い、むしろ大半はそうです。しかし、その中でも確かな成長が見られたと、日々執筆の様子を見て、チェックしていた私は感じています。

 最後にSさんの成長と、彼だけでなく書かせる側に回った私もその成長により学ばされたことを一つ、お話しいたします。彼の成長は初めのうち独自の考えで走りがちだったのが丁寧に調べる、裏を取るようなことに慣れてきたこと、私もそれによって自分たちの知識が想像以上に曖昧で、先入観に囚われていること、だからこそそれなりであっても調べておくことの大切さを改めて感じるようになった、ということです。
 Sさんの書くものを見ていると、特に初めのうちは事実として不正確なこと、間違っているようなこともありました。その都度指摘しましたが、その内に私が「これは本当か?」と思って聞いてみると、それは事実で私の方が間違っているようなことが増えてきました。Sさんも私からの度重なる突っ込みを受け自分で調べることが多くなったのでしょう。その結果、スキが少なくなるだけでなく私の知識の範囲外の意外な事実がわかるなどして、逆に私が間違えていることが多くなりました。日々考え、調べて記事を書く彼の成長が記事にケチをつけるだけの私の知識、推測力(大したものではないのですが)を追い越したのです。意外なところで落とし穴となる、自分たちの知識の曖昧さに気づくことができたのは彼のおかげだと考えています。そして、ちょっとした文章力の向上だけでない、文章を書く態度自体の変化もここまで続けてきた一つの成果ではないか、そう思っています。

 Sさんの「MOILの諸々」執筆期間はあと半年残っています。記事の方向性はどうなるのか、その中で彼がどのような成長を遂げるのか。最も身近で見られる私としては楽しみですが、もしかしたら私には知覚不可能な成長を遂げるかもしれません。彼の個性は私にはないものであるがゆえに。その成長によって私にはできないことを何かしてくれるかもしれません。代わりに彼には書けないような、そこそこお硬い文章を書く私ができることもあると信じ、同じ若手として私も頑張ってゆきます。まあ、記事に関して私のすることはケチをつけるだけなのですが。

 長々とお付き合いいただきありがとうございました。今後ともMOIL株式会社を、少しは「MOILの諸々」も、よろしくお願いいたします。


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